第二話 昔話・もうひとつの始まり     

7/16
前へ
/41ページ
次へ
 そんな少年ら二人に尊敬された父親である男性がふと口を開く。  「二人ともこちらに来なさい」  その声はとても落ち着いていて、優しい声であった。  すると、その声を聞いた彼らは、自身の父親が座っているところまで、移動すると徐に正座をした。  それを見た父親は、再び口を開く。  「大和、武蔵、常日頃より厳しい鍛錬ご苦労である。  来週に執り行われる、行事は知っているな?」  それを聞いた少年らは、ただ無言で、頭を上下に一回うなずいた。  そのときの少年の表情は、最初に会ったときと同様に真剣な面持ちだった。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加