第二話 昔話・もうひとつの始まり     

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音が道場の中に鳴り響いた刹那、廊下より足音が聞こえてくる。  大和と武蔵は、足音が聞こえてくると、気を引き締めなおし、廊下につながる、襖の方へと目を移す。  次第に足音が近くにやってくる。  すると一分もしないうちに襖が大きく開く・・・  その勢いよく開いた襖の奥には、二人の男性が居た。  おそらくその男性らは、先ほど少年らの父親が呼んだ相手なのだろう    男たちは、夏にもかかわらず、長袖の黒い袴を着て居て、その男性を見ていた少年らは、多分暑苦しく見ているだけで感じたに違いない。  しかし、当の本人たちはと言うと、至って平然とした面持ちで、むしろ涼しそうにも伺える。  男たちは、自身の主人の前まで襖を開けた直後近ずき、跪く。
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