第二話 昔話・もうひとつの始まり     

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 大和と武蔵の父親の前で跪いた彼らは、一度、跪いたまま少年の父親に頭をたれると、その頭をたれている彼らのうち一人が口を開く。  その声は、無機質な声色でただ事務的な、口調だった・・・  「旦那様、、ご要望のものをお持ちいたしました。」  すると、父親である男性はただ頷くだけであった。  最初から、頭をたれている彼らと、少年らの父親は事前に打ち合わせをしていたのが一連の行動を見ていると伺えた。  すると父親が頷くのを確認した、黒ずくめの彼らは、自らの背中にしょっていたものを父親に渡すと、足早にその場から離れる。  それを見ていた、大和と武蔵は、ただ一連の動きを見ているだけで、まるで石になったかのように二人とも固まりじっと行く末を見守っていた・・・
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