Ⅰ:動き出した運命

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(体育委員会、誰も希望しなきゃいいな。) 月は後ろからみんなが書き終えるのを待っていた。 ほとんどの人が書き終えた時、黒板の所に行くと体育委員会の所に名前はなかった。 心の中でガッツポーズをして名前を書き席に戻る。 それと同時に男子が立ち上がり名前を書いていく。 月の席は一番後ろの窓側だ。もともと視力は良い。黒板は良く見える。 (体育委員会の男子は誰かな?) そう思いじーっと見ていると一人の男子が名前を書いていた。 山口 陽介 (誰だっけ?) 不謹慎にもそんなことを思ってしまった。 月の通っている中学校は幼稚園、小学校からの持ち上がり、つまり内部生が120人。それに対して中学から入学、つまり外部生40人で構成されている。 月は外部生だ。 いくら二年間過ごしたといっても知らない人もいる。
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