Ⅰ:動き出した運命

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その男子が書き終えて席に戻る際、一瞬だけこっちを見た。 (―あ、あの人か) 何度か廊下ですれ違ったことがある。人懐さそうな顔立ちをしていた。 (早く仲良くなろーっと) 「よし、全員決まったな。委員会に入った人は放課後集まりがあるからな。どこの教室でやるかは後ろに貼ってある紙を見とけ。」 担任の言葉と重なって終わりを告げるチャイムがなった。 と、同時に皆思い思いの行動をする。 机に突っ伏して寝る者、友達と喋っているもの。本当に様々だ。 月は美樹と窓辺に寄りかかっておしゃべりを楽しむ。 「月、良かったね!体育委員になれて。」 「ほんと。ジャンケンとかだったら勝てる気しないわ。そういえば、山口君ってどんな人?」 美樹は内部生だ。 きっとどんな人か、くらいは知っているだろう。
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