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「ふざけるな!どうして敵国の言うことを聞かなければいけない」
「「そうだ!」」
理不尽な要求に当然村人は反抗し騒ぎ立てるが、所詮は一般人
鍛えられた軍人や魔導士に適う筈もなくあっさりと首を跳ねられてしまう
「ならば仕方ない…力ずくで奪わせてもらう」
隊長の言葉と同時に魔導兵が一斉に村に火を放ち、剣士は次々と村人の首を跳ねていった
――――――――――
「ほら、泣かないの」
「グスッ、…うん」
村の中でそんな騒ぎが起こっている事など知る由もないルナは、
ようやく泣き止んだルリを見て、ほっと息を吐く
「もう泣かない?」
「うん!私、もう泣かない!」
元気良く返事をする少女に先程までの哀しげな瞳はない
「よし!じゃあお姉さんになれたルリにはこれをあげるわ」
そう言って立ち上がったルナが懐から出したのは一冊の本
「…ごほん?」
「そうよ、この本にはいっぱい魔法の使い方が書いてあるの、ルリもこれを読んで立派な魔法使いになるのよ?」
ルナは頬笑みながら左手に光の球を浮かべた
「わぁ!すごい!……何で今まで使わなかったの?」
浮かぶ小さな光の球に目を向けながら
ルリは無邪気な笑顔を浮かべてルナを見上げる
「魔法はとっても危険なの、だから、絶対間違った使い方をしちゃだめよ?」
つられるように笑顔になって話すルナだが、声は真剣そのもの
「間違った使い方?」
首をかしげるルリは、ルナの言いたいことがいまいち分からない様子
「そう……魔法はとっても便利だけど、とっても危ないの、ルリは魔法を傷つける為じゃなくて助けるために使うのよ?」
そっとルリの頭を撫でたルナは、ここでようやく村の異変に気付く
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