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――――――
ガサガサッ
「ヒャッ!……グスッ……な、泣かないもん!」
物音に怯え、涙を堪えながら、
あてもなく森を彷徨う幼い少女はルリ
草むらを掻き分け、森の動物に怯えながらも、ズンズンと森の奥へ進む
ガサガサッ!
既に限界ギリギリのルリの前に
巨大な魔物(この世界の動物が魔力によって凶暴化したもの)
が立ちふさがった
「ッ!……うぅ、お母さん…」
小さな物音にすら怯えていたルリが、
見るからに凶暴そうな魔物を見て平気なはずもなく、
腰を抜かして地面に座り込んでしまった
「ガァァア…」
こっちへ来るな!
とでも言うように両腕を挙げ、威嚇する魔物は、今にもルリを殺してしまいそうな程警戒している
「ヒッ……嫌、」
腰を抜かしてしまったルリは、 かたく目を瞑り、縋るように持っていた本を抱きしめた
「グガァァァア!」
しかし魔物にとってみれば、
怯える獲物は恰好の餌、
ルリに戦闘の意志が無い事に気がついた魔物は、
目の前で震える少女を食らおうと襲い掛かった
「…ヒッ!…嫌…お母さん!」
ルリが叫ぶように小さくなった瞬間
ピカッ
そのてに強く抱き締めていた本が輝きを放ちながら空中に魔方陣を描き、
『おぉぉお~……おピャッ!』
そこから四枚の翼の堕天使が放り出されるように飛び出し、
頭から地面に叩きつけられた
『………痛~』
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