~プロローグ~

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夕暮れ時… とある世界の小さな村 店が立ち並ぶ大通りは、 夕飯の買い物をする客や家に向かう人々で賑わっている そんな通りの片隅には今日も小さな人集りが…… 「やーい!悪魔!」 「悪魔!悪魔!」 「出て行け!」 可愛らしい声で騒いではいるが、この集団はいわゆるいじめっ子 勿論、輪になっているのは全てが子供 中心にいる少女に向かって石つぶてを投げ付けている 「…グスッ…やめて…やめてよ……痛いよ…」 小さく蹲り、声を振り絞る少女の歳は見たところ五歳程度だろう 「うるさい!悪魔め!お前は不幸を呼び込むって母ちゃんが言ってたぞ!」 「「そうだそうだ!」」 集団は年齢も性別もバラバラで ただ一つ言えるのは全員が村の子供だと言う事だけ リーダーらしき少年の声に同意するように叫ぶ集団は再び石を取り出すと、 何度も何度も少女に投げ付け続けた 「…グスッ…助けて……」
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