261人が本棚に入れています
本棚に追加
――――フィード視点――――
「あぁあぁあぁ!…ハアハア…ゴメンミュー!」
大慌てで走ってきた僕は息を切らしながら、宮殿の前に立っている少女、ミューに謝る、
「……遅い…」
壁にもたれかかりながら腕を組んでいるのが僕の彼女さん
口数が少ない事で有名な彼女は
実は神様の一人娘
兄さんには散々文句を言われているけれど、神様公認の仲だから余り気にしていない
「じゃあ行こ?」
「……うん…」
若干不機嫌そうなミューの手を取って
僕らは街に向かって歩きだした
――――――――
今日は久しぶりのデート
箱入り娘のミューは、なかなか宮殿から出してもらえない
楽しみにしてたんだから今日は二人でとことん遊びたい
逸る気持ちを抑えつつ、
ミューと二人で街をブラブラ散策
多分これが“幸せ”なんだろうなぁ~
なんて考えつつ何かないかと辺りを見回してみる
「あ、ちょっと待ってて!」
「……?」
不思議そうに首を傾げるミューをその場で待たせて
僕は道の途中で見かけたアイスクリームの屋台に向かった
――――――――
「お待たせ!………ってあれ?」
アイスクリームを両手に
ミューの待っているはずの場所に戻ってきた僕だけど、
ミューの姿が見当たらない
「…隠れてるの?」
いや、ミューはそんなことする娘じゃない……
「取り敢えず魔力を……」
色んな事が頭に浮かんで不安で
集中出来ないまま
ミューの魔力を探ってみる
「…え…?」
ミューの魔力は物凄いスピードで宮殿と反対方向の森の中に向かっている
「……ミュー…」
居ても立っても居られなくなった僕は、急いでミューの跡を追った
最初のコメントを投稿しよう!