~堕天~《聖から魔へ……水の陰謀》

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――――フィード視点―――― 「あぁあぁあぁ!…ハアハア…ゴメンミュー!」 大慌てで走ってきた僕は息を切らしながら、宮殿の前に立っている少女、ミューに謝る、 「……遅い…」 壁にもたれかかりながら腕を組んでいるのが僕の彼女さん 口数が少ない事で有名な彼女は 実は神様の一人娘 兄さんには散々文句を言われているけれど、神様公認の仲だから余り気にしていない 「じゃあ行こ?」 「……うん…」 若干不機嫌そうなミューの手を取って 僕らは街に向かって歩きだした ―――――――― 今日は久しぶりのデート 箱入り娘のミューは、なかなか宮殿から出してもらえない 楽しみにしてたんだから今日は二人でとことん遊びたい 逸る気持ちを抑えつつ、 ミューと二人で街をブラブラ散策 多分これが“幸せ”なんだろうなぁ~ なんて考えつつ何かないかと辺りを見回してみる 「あ、ちょっと待ってて!」 「……?」 不思議そうに首を傾げるミューをその場で待たせて 僕は道の途中で見かけたアイスクリームの屋台に向かった ―――――――― 「お待たせ!………ってあれ?」 アイスクリームを両手に ミューの待っているはずの場所に戻ってきた僕だけど、 ミューの姿が見当たらない 「…隠れてるの?」 いや、ミューはそんなことする娘じゃない…… 「取り敢えず魔力を……」 色んな事が頭に浮かんで不安で 集中出来ないまま ミューの魔力を探ってみる 「…え…?」 ミューの魔力は物凄いスピードで宮殿と反対方向の森の中に向かっている 「……ミュー…」 居ても立っても居られなくなった僕は、急いでミューの跡を追った
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