~堕天~《聖から魔へ……水の陰謀》

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「じゃあ………バイバイ」 別れるのは少し悲しいけど、 ミューは助けられたし、 自分のせいだからと、 僕は無理矢理納得して宮殿を立ち去った 宮殿を出た僕が最初に向かったのはレインと争った小屋、 少し気になることがあったのと、やりすぎたので、治療して謝ろうと思ったからだ キィ、 「大天使フィード・クロノス様、貴方に誘拐及び障害の疑いがかかっています、御同行願えますか?」 小屋に入ると直ぐに警罰隊(天界の治安を守る集団)が武器を構えて僕に歩み寄ってきた 「フフッ、まんまと引っ掛かってくれましたね」 警罰隊の後には無傷のレインの姿 「やっぱりダミーか…」 やられたよ、道理で簡単に倒せるはずだ… 「おや、気付いていましたか、ではこの状況も理解できる筈ですね?」 この状況、警罰隊に囲まれ、奥でレインが捕まる様子もなく、むしろ指示を出している 「警罰隊を懐柔するなんてね…」 少しでもコイツを心配したのがバカだった 「さぁ、警罰隊の皆さん、彼を捕らえてください」 レインの言葉と同時に警罰隊は動き出し、 あっという間に無抵抗の僕を拘束した ――――――― カツン、カツン、カツン 「1269番、面会だ」 おとなしく捕まった僕は今、死刑囚として独房にいる 「誰ですか?」 「兄と恋人だとさ」 看守は興味無さげにそういうと、牢を開いた 「はぁ、」 気まずいなぁ… 掟を破った手前、神様の娘であるミューや炎の大天使である兄さんに会うのは気が重い
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