~堕天~《聖から魔へ……水の陰謀》

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ガチャ 「フィード…何でこんなことを」 面会室に入った途端、兄さんが身を乗り出して話しかけてきた どうやら真実は伝わってないみたいだ いや、掟を破って戦ったのは事実か…… 「大切なもののため…、それに後悔はないよ」 ミューの前で言える訳が無い、 それに全部自分の責任 後悔が無いのも本当だ… 「そうか…まぁ、後悔が無いならそれでいい………じゃあ俺は行く」 納得してはいないみたいだけど、気を遣ってくれたんだろう 兄さんはゆっくりと面会室を出ていった 「……」 「………」 沈黙…、残された僕とミューは気まずい沈黙の中でただじっとお互いを見ていた ふいにミューが口を開く 「………ゴメン」 出たのは謝罪、罪もなく、被害者の筈のミューが罪人の僕に謝った、 「何でミューが謝るのさ…」 「わたしが攫われたから…」 ミューは気が付いてたみたいだ でも、レインの狙いは最初から僕だったんだ 「気にしないで、後悔はないって言ったでしょ?」 後悔はしていない、 それに、死ぬ気もさらさらない この世界の処刑は罪人の死を確認しない、 と言うよりできない、 死刑と言うものが存在しないから 代わりにあるのが堕天 罪人の魔力を封じ、身体を拘束したまま魔界に堕とすと言うもの 魔界は力が無ければ一瞬で殺される様な荒れた場所だから、 大天使と言えども封印されていればすぐに殺されてしまう 結局死刑みたいなものなんだけど 僕はどうにかして封印を解いて助かるつもりだ でもその前に
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