第一話 チェーンメール

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近江探偵事務所。東京都内でひっそりと経営をしている探偵事務所。 探偵という文字がつくからには依頼を受け、調査を行いそして、事件を解決に導くことを仕事としている。 だか…ここには普通の依頼、つまりは「嫁の浮気調査」だとか「猫を探してくれ」なぞを頼みにくる客はいない。ていうかいたら逆に珍しい。 まあ…こんなボロい探偵事務所に頼みに来る人も珍しいって言えば珍しいけど…。 「…おい…要。要ってば!」 …ん…冒頭の挨拶に夢中でこいつの事をすっかり忘れていた。 「要、この間の依頼の報告書、さっさと寄せてよね!全く…!」 彼女は【簗瀬渚(ヤナセナギサ)】。高校生兼僕の助手。明るく活発なのはいいのだが、元気過ぎる時があるのがたまにキズだ。 年齢は16歳。俺は18歳で年上のはずなのだが、どうやら舐められているらしく、いつも呼び捨てで呼ばれる。
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