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クリスマス逃亡大作戦
遠い遠い、何年も前の前の事。
私は1人の男の子に出会った。
彼はしんしんと雪の降る中で、ただじっと空を見ていた。
「何してるの?」
私が尋ねると、男の子は小さな声で、でもはっきりとこう言った。
「――サンタさんを、まってるの」
私はちょっと驚いたけれど、そっか、と彼の言葉に小さく笑った。
「何か欲しいモノでもあるの?」
男の子は少し間を置いてから、頷いた。
「ぼくは――」
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