シンデレラの日常

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そう王子の戯言(ざれごと)を切り捨てると、 「いいからそこ。窓開けて換気」 「あなたは空いてる酒瓶片付けて」 と、固まっていた周りの貴族の子弟数名に命じて、ディアは王子の周りに(はべ)っていた女性たちを部屋から追い出しにかかった。 「ほら貴女方も。こんな 親の(すね)(かじ)っているようなダメ人間と付き合ってないで、もっと誠実な人をお捜しなさい」 顔はそのままだが、心持ち優しい声音で諭す。 一国の王子への評価としては随分であるが、王子は「ひどいな~」と笑うだけ。 「あの……でしたら、私は、ディア様が良いですわ…」 それを皮切りに、我も我もと美しく着飾った女性たちはディアへと言い寄ってくる。 部屋の片付けを命じられた男たちは、 「えっ」 と思わず手を止めて振り返った。 その間も、ディアは慣れた様子で、女性たちを扉の方へと誘導する。 .
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