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マリアと呼ばれた少女はバネのように跳ね起き、ベッドの上に正座する。
「ディーのベッドに入るなって、何回言ったらわかるのよアナタは!!」
「…だって、怖い夢を見ちゃったんですもの」
頬を染めながらそう言うマリアに、姉のジュリアは砂を吐きそうな顔をする。
「“だって”も“明後日”もあるか、この小娘が。
その深窓の姫君ぶったしゃべり方もやめて。一々シャクに触るし気持ち悪いわ」
「………」
「何よ?」
「フン。早速お小言ですか?姉様。
もう人妻気取りなのかしら、嫌ですわ、もう」
途端にマリアは正座をやめ、片膝を立ててあぐらをかく。
ついでに言えば人相も悪くなって、下からメンチをきりまくっている。
口調はそのままなのが恐ろしい。
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