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「こぉんな“行き遅れ”の女を貰ってくれる、奇特な方がいらっしゃっるなんて、世の中幸せにできてますのねー。おほほほほほ」
「いき…!!マリア、まだ社交界にも出ていない小娘ごときに言われる筋合いなんて、なくってよ!」
「わざわざ、お兄様と私の仲を引き裂こうとするからですわ。よっぽどお暇なのかしら?
あら、もしかして、早速婚約破棄でもされて、お暇になっちゃたとか?」
「ありえますわ~」と凶悪面でケタケタ笑うマリアには、ジュリアの青筋が切れる音は聞こえなかったようである。
ジュリアは拳を握りしめてブルブルと震えた後、ゆるゆると棚の上に置かれた燭台へと手を伸ばし、
「そんなことないわよ!レオンは私にゾッコンよ!!」
と叫びながら、笑い続けるマリアへと向かって、燭台をぶん投げた。
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