惑星ティーチューの準知的生物レンレイについての観察報告

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 レンレイの古代伝説に頻出するこの空間は、循環時間型上位異次元空間の観念に類似する。  が、レンレイの科学者が異次元空間の観念を発見したのは極めて最近のことである。  過去に知的種族がレンレイの祖先と接触し、異次元の存在を教えた可能性があり、今後の調査が待たれる。  神に選ばれなかったレンレイがどうなるかは伝説によって異なるが、置き去りにされるというのが最も幸福な結末である。  実際には神によって殺戮されると唱える伝説がはるかに多い。  さらに不幸な結末を予言する伝説によれば、神に殺戮されたレンレイは、選ばれたレンレイとは別の循環時間型上位次元へと送り込まれる。  このレンレイ達も永遠に生きるが、この空間でレンレイを待っているのは永遠の幸福ではなく、永遠の苦痛である。
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