惑星ティーチューの準知的生物レンレイについての観察報告

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 タイヤン星系(注1)の6番天体(注2)ティーチューは、知的生物が存在しない惑星である。  ティーチューで最も高い知能を持つ生物はレンレイであるが、このレンレイすら準知的生物に過ぎないと考えられている。  この生物がもつ奇妙な習性についてここに報告する。  惑星ティーチューの表面のうち約70%は一酸化二水素を主成分とする液体で覆われているが、レンレイは一酸化二水素の液体をひんぱんに摂取する必要はあるものの、その液中では生命を維持することができない。  したがってレンレイの全個体は、液体で覆われていない30%の陸地に棲息している。 (注1:恒星タイヤン、惑星ティーチュー、準知的生物レンレイなどの名称は、断りのない限り、学会慣例9453条に基づき、レンレイの最大多数を擁する群(後述するチョングオ)の使用する呼称に従っている。 注2:学会慣例18473条に従い、該当星系において質量の大きい天体から順に数える。)
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