惑星ティーチューの準知的生物レンレイについての観察報告

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 共通して使用できる記号規則が無い場合、当然ながら個体同士の意志伝達は困難を極める。  その場合、次善の策として、両方の記号規則を習得している第三の個体に依頼し、その個体を媒介して情報を通じ合うという、きわめて不経済な方法が用いられている。  レンレイは凸凹式の二性生殖で、つがいを作り、双方の親子兄弟を含めて彼らが「家族」と呼ぶ小グループを構成する。  家族はアイし合っているべきものである。  アイというのは特定の個体に対して不平等な取り扱いをしたいをいう欲求のことである。  これがレンレイたちが最も崇高と考えている欲求なのである。
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