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アイを動機として不平等な扱いを受けたレンレイは、そのアイに対して感謝しなければならない。
ただし準知的生物に過ぎないレンレイは、情動を科学的に測定する機器を発明していない。
そのアイの存在は、証明も反証も不可能である。
しかも、アイによる不平等な取り扱いは、アイを向けられたレンレイに利益を与えるとは限らない。
アイの結果が、単なる暴力や搾取や支配に過ぎない場合も多い。
すなわち、レンレイはアイの存在を科学的に立証することはできないし、アイによっていかなる行為を受けるかも明確に定められていない。
ここまで読んだ知的種族の読者は、次のような疑問を持つであろう
「それでは、強力なレンレイが、弱いレンレイに対して自己の利益のために不当な仕打ちをしても、その動機をアイだと主張して押し通せば、正当化されるのではないか」と。
そのとおりである。
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