6人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、なんで怒ってるの?」
「うるせぇ!!!テメェなんか何時か必ずぶっ飛ばしてやる!!」
とかなんとか叫びながら俺はその場を走り去った……筈だった。
「……うぜぇな、先回りかよ。」
「……フフッ…君、方向音痴なの?」
「………」
おかしい。
さっきからコイツに背を向けて走り去ってるはずなのに、疲れて立ち止まれば何時もコイツが居るんだ。
夢かどうか確かめるために自分の頬を叩いてみたが、どうやら夢では無いらしい。
俺的には夢であってほしいのだが。。。
「……此処どこだ?」
「横に標識あるよ。」
奴に言われて右を見る。
そこに書いてあったのは見たことも無い住所だった。
そうか…逃げるのに必死になって、いつの間にか知らない所に来てたのか。。。
「…僕ん家来る?」
「意地でも行かねぇ」
「…そう。じゃあ、僕は帰るね。」
そう言って奴は俺から離れて行く。
どうする。
此処で素直に付いていったら何されるかわからねぇし、
だからと言って此処に居たら、一生帰れねぇ気がする。
俺は頭の中で、人生最大の選択を迫られていた。
そして俺の出した答えは…
「………何?」
「連れてけ」
(奴に付いて行く)だった。
「…それが人に物を頼む態度?」
なんだ、コイツ。
いきなり偉そうに説教かよ。
「…なんだよ。お願いしますって言えば満足かよ。」
「涙目+上目遣いなら尚更そそられるんだけどね。」
……コイツ、本当に変態か?
頭、大丈夫か?
「…………チッ」
「何なら今すぐ泣かせてあげてもいいよ?」
「やれるもんならな。」
俺が泣く?
意味わかんねぇ。そんなことあるわけねぇだろ。俺は18だぞ?
良い歳して誰が泣くかっつの。
第一こんななよっちい奴に俺が泣かされるわけねぇだろうが。
とか何とか考えてたら、急に、息が出来なくなった。
またしても俺の頭はパニックに陥った。
最初のコメントを投稿しよう!