†prologue†

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雨の中 俺は黙って一つの遺影を見つめている。 雨の中といってもここは室内。 遺影を見つめている時に少しだけ聴こえるお経。 お経と雨の音さえも小さな雑音にしか聴こえない。 すすり泣いている人々。 自分でも分かる。自分の頬を涙がつたっていく。 俺は今泣いているんだ。 そう確信したら涙が止まらなくなった。 みんなが俺をみて切なそうにしている。 同情をしているのだろうか…… 俺は思った。 とうとう1人になってしまった。 5月20日 リュウ 最後の家族を失う
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