†prologue†

7/15

114人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
「あなたのお父上は……お優しいお方でした」 いきなり話し掛けられたのはビックリしたが、シャルさんの話を黙って耳を傾ける事にした。 「このガレーデを大きい会社にしたのも社長の成果ですし…… わたしも秘書として常に一緒に行動していましから。 …………あの方は素晴らしい人でした」 信号で車が止まったと同時に、シャルさんは微笑みながらこっちを見た。 外は暗く、街灯の光が車の中に差し込んできている。 シャルさんは再び前を向いて話し始める。 「ですが、社長が海外へ行こうとした時、ついて行かなかった…………私の責任……です」 後ろから見ていてもわかる。 シャルさんは涙をこらえていた。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加