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「あなたのお父上は……お優しいお方でした」
いきなり話し掛けられたのはビックリしたが、シャルさんの話を黙って耳を傾ける事にした。
「このガレーデを大きい会社にしたのも社長の成果ですし……
わたしも秘書として常に一緒に行動していましから。
…………あの方は素晴らしい人でした」
信号で車が止まったと同時に、シャルさんは微笑みながらこっちを見た。
外は暗く、街灯の光が車の中に差し込んできている。
シャルさんは再び前を向いて話し始める。
「ですが、社長が海外へ行こうとした時、ついて行かなかった…………私の責任……です」
後ろから見ていてもわかる。
シャルさんは涙をこらえていた。
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