呪う月桂樹

クリスマスイルミネーションは今年も煌々と街をロマンティックに彩っていた。

……クリスマス？

｢仏教徒がほとんどを占める日本人がクリスマスに躍起になるのはおかしくないか？｣

そういえばそんなことを誰かが言っていたなどと、独りで街を練り歩きながら考える。

対して、去年は友人がこんなことを言っていた。

｢今年も独りか～。二人とも来年は彼氏を捕まえたいね！｣

出会いなんてそうそうあるもんじゃないって。

猫被りの君ならつまらない男一人くらいなら捕まえられるでしょうけど。

必死に恋愛に勤しむなど馬鹿馬鹿しい。

去年の私はそう思っていた。

でも今は違う。

あの人を捕まえたい、出来ればこのロマンティックな中を二人で歩くことが出来たら、と思ってしまう。

しかし、去年のあれから数ヶ月後、私はその友人から裏切られた。

大きな傷をつけて。