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朝のSHRが終わり、体育館へ移動する。1ヶ月振りの登校日だというのに先生達はクラスメートとの談話の時間はくれないようだ。
「ついにここまで来ちゃったな」
隣を歩く男子に声を掛ける。クラスで1、2を争うほどの頭の良さがあるから羨ましい。
「メンドイからサボって良い?」
「サボるな。証書受け取る代表に選ばれちゃったんだろ」
「1人で前出てクソ校長から受け取るんでしょ?やだもん」
「まぁまぁ、な?」
コイツの場合は冗談に聞こえない所が厄介だ。なにせ3年生を送る会もバッチリ休みやがったからな。こんなことがあったから今の発言も信憑性が上がってしまったよ。
ベラベラ喋りながら歩いているうちに体育館に着いた。各クラス毎に並び直して先生の話を聞く。
ある程度準備も終わり、練習開始。
起立や礼、着席の練習の他に、卒業式で歌う歌の練習もした。本当に中学時代に合唱を頑張って良かったと思う。出席番号の関係で両隣は女子だけどつられることなく歌えた。ま、途中裏声を使って隣の女子を笑わせてふざけたりもしたけど。
卒業式まであと2日。
貴方と卒業出来たらどれだけ喜ばしい事だったろうか。
いや、何度考えても無駄だ。
何故なら、俺の傍に
君がいない―――――。
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