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門の外に出た直後、名残惜しいからか、なかなかみんな帰らない。俺もいろいろ話そうかと思ったけど、教室で遥ちゃんを待たなくては。
俺の動きに気付いたクラスメートが声を掛けてくる。
「おい鬼塚、どこ行くんだよ?」
「いやぁ、教室に忘れ物しちゃったみたいだから取りに行ってくる!」
返事は聞かずに俺は走り出す。下駄箱でも上履きを履くことなく教室に行く。幸い、遥ちゃんはまだ来てないみたいだ。
窓のサッシに手を掛けて呼吸を整える。ドキドキが止まらない。不安が俺を襲う。
ガラガラ
彼女は言った通り来てくれた。
「卒業式終わった後だってのにこんな所に呼び出してごめん」
「それは良いけど、話って?」
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