君がいない（仮題）

中１・１学期

教室に帰ると隣の席の女子が次の授業の準備として机の上に出しておいたノートに落書きをしていた。

それを上手になだめて止めさせると、俺は聞いた。

「なぁ、田辺と田中ってどんな関係なの？」

アホだ、俺。そういうのをどストレートに聞く奴がどこにいる。

「小１から今までずっとクラス一緒なんだよ。」

はっ!?

そんな偶然が有り得るのか？つまりそれは７年間もクラス一緒って意味になるんだぞ？

俺はその場は納得したふりをして、部活の時間に他のクラスメートに聞いてみた。

「ねぇ、サッチー。たっくんと田中さんってずっとクラス一緒なの？」

卓球部の間で『田辺』のあだ名は『たっくん』になった。俺も例外なく『たっくん』と呼ぶようになった。

話しかけられたサッチーはすぐに答えてくれた。