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「…夢よね…夢ならそのうち醒めるわね…あなた何?」
非現実的な出来事から目を背ける為夢だと片付ける。ウサミミ男は勝手に向かいの席に腰を掛け、テーブルに置いてある昨夜作っておいたキャロットケーキを口にした。
「お、うまい。俺は月の妖精みたいなものかな」
「妖精みたいなって…突っ込む所かしら…それより気になるのは何でウサミミなの?」
「上の指示。取り外し可能。この国じゃ月に兎ってイメージでしょ?もう一個食べて良い?」
気に入ったようで、答える前に次々口に運んでいった。
「…なんかわかんないけど、月の兎が願いを叶えてくれるのね…もう叶えてくれたの?」
「まだだよ。抽象的すぎてわからないんだよね、幸せって…と言う事で叶えるまでここにおいてもらいます。またケーキ作ってね」
「は!?」
ウサミミ男がニッコリ微笑むと急に眠気が襲ってきて目を開けていられなくなった。
「お休み、かめこ」
ナギの囁きは楓には届いてなかった。
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