序章

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ともかく、落ち着かなくてはいけなかった。 ドアを開けて、外に出た僕は空気を肺一杯に吸い込む。 冬を迎えた山は冷たく、氷を飲み込んだ時みたいに僕の脳天を静かな状態にまで落ち着かせてくれる。 ポケットから取り出した煙草をふかしながら、「彼」との出会いを思い返す為にゆっくりと目を閉じた。 「彼」との出会いはちょうど二週間前だった。 だが、「彼」との出会いを紹介するためには、もう一人ユニークな僕の知り合いを簡単ではあるが紹介しなければならないと思う。
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