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二週間前、僕はちょうどこの山を2つ下のあかりと一緒に歩いていた。
彼女と僕との関係は、傍から見ていて実に奇妙なものだったと思う。
まず、あかりは僕の事を「おかあさん」と呼んでいた。
男であるところの僕が、なぜ「おかあさん」等と呼ばれなくてはいけなかったのかという経緯は、とりあえず後に譲るとして、僕はあかりの「おかあさん」であり、僕にとって彼女は「あかり」だったのだ。
そして何より、あかりは「おかあさん」という存在に対して、それ相応の愛情をしっかりと持っていた。
ともかく、それが事実だ。
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