転入

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「真希波かわゆすww」   「また浮気でござるかwお主、何人嫁がいるんでござるかww」   「おうふw数えてないwとりあえず一夫多妻www」   「あるあるww」       どうしてこうなった……。 都会への憧れと、妹から勧められたこと、そして父さんの親友が学園長ということもあって、ぼくはこの『私立キモオタ学園』に入学した。   この、通称・オタ学はエリートオタクを育てるというよくわからない目的のためにつくられたほぼ趣味の学園なのだけれど、勉強はそれなりにできる必要があるとかで、合格は難しいらしく、大手予備校の発表偏差値は64とかなりのものだった。   妹は、受験して見事合格どころか特待生になった。 一方、僕はというと、妹に合わせるように転入した。学年は二年だった。 まじめな小論文を一本書いたらなんか受かったので仕方ない。 だけど、都会だし、不満はなかった。 ……はずだった。
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