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さて、夏休みも事故なく終わって二学期が始まる。
校長の世界では話は長くあるべき。などというきまりでもあるのか、お約束の校長の長話が終わり、教室では新学期初のＬＨＲ。いわゆるロングホームルームが始まっていた。
「おい剣斗知ってるか？転入生がこのクラスにくるみたいだぜ！？」
俺の後ろの席の河井盾（ｶﾜｲ ｼﾞｭﾝ）が身を乗り出してくる。
コイツは俺の中学時代からの親友であり、あの散々だった中学時代を共に生き抜いてきた戦友でもある。
俺も盾もケンカに明け暮れる日々に嫌気が差し、中学卒業を機会に地元から上京。この東央高校に入学し、真人間に生まれ変わるべく逆高校デビューを果たしたのだ。
「知ってるも何も……このクラスの男も女もこの話題で持ちきりじゃねえか。知らない方がおかしいっつの。」
そうだ。東央高校１年Ｃ組ではどこもかしこもこの転入生の話ばかりしている。
わかっているのは、性別は女で金髪ロングの碧眼の美少女（美少女かどうかは定かではないが、金髪ロングで碧眼だったら美少女だと相場は決まっているらしい）なのだが……。
「金髪ロングの碧眼って、藤堂愛姫みたいだよな。」
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