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その間、結菜は何か言いたげな顔で僕を伺っていた。僕は、結菜を見て安心させるようにほほ笑み
「僕は…この河津の家から出ようと思っているんだ。結菜…君を幸せにするには、この家から…河津という柵から抜け出さないといけない。だから、この件が終わったら僕と婚約してほしいんだ。笑うことを…幸せを無償で教えてくれて、こんな僕を愛してくれた君と僕はこれからを共にしたいんだ」
長い廊下を歩きながら、僕は真っ直ぐ前を向いて結菜に告げた。
結菜は潤んだ目をつないでいない手で押さえて、静かに頷いた。
僕は嬉しくて、結菜を愛しそうに見ていた。
この後に僕達に起きる事なんて………
僕にはまだ想像できなかった。
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