雪ふる世界を

8/15
前へ
/15ページ
次へ
握られたその手を僕が見ると結菜が 「大丈夫だよ。圭君はもう昔とは違う…。モノの美しさを知ってる、笑うことを知ってる…私達が出会った日から圭君はかわったんだから」 この笑顔が愛しいと思えるのは、結菜がずっと隣にいてくれたお陰だ。不思議と結菜に『大丈夫』と言われれば、大丈夫な気がした。 「人を愛することも…だ」 恥ずかしかった。 僕はこんな性格だから、滅多に結菜に愛を囁かなかった。きっと、真っ赤になっているであろう僕の顔を見て嬉しそうに笑った。 そんな結菜をいつまでも守りたい…幸せにしたい…柄にもなくそう感じた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加