雪ふる世界を

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結菜と僕は家の前に着き、僕は柄にもなく緊張していた。 「圭君?大丈夫?」 いつもと様子の違う僕を心配して覗き込んだ。 僕は無意識のうちに、俯いていたようだ。 「あぁ…大丈夫だ。 入ろうか…」 僕の家は、代々議員の一家で僕の兄2人も今は父を手伝っていた。 大きな門の前に僕達2人は立っている。 僕が門を開けると、玄関に母さんがいた。 「ただいま戻りました…」 「本間でお父様が待ってますよ。……そちらの方は?」 母さんは結菜を見て聞いてきた。結菜は着物をしっかり着て、真っ黒な髪をくくった母を見て緊張したのだろう。背筋を伸ばして 「急にお邪魔してすみません。私、圭さんとお付き合いさせていただいてます川邊結菜と申します」 結菜は畏まった口調で母の目をしっかり見て告げた。母はそんな結菜をちらっと見ただけで、僕を見て 「圭さん……あなたをお父様が外に出したのは、あなたが勝手なことをしたからですよ?家の名に恥じぬように立派に家を継いでいる兄様方を見習ってはいかがです?女性と付き合う為に私達はあなたを外に出したわけではありません」 冷たい目に、冷徹な言葉。結菜は会ったばかりの圭を思い出した。 僕は母の言葉を無視し、結菜の手を引いて父の待つ本間に向かった。
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