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やっぱり独りだと思った
やっぱり一人だと思った
生まれてきた意味なんて
やっぱり無かった
誰も自分を見てくれてなんて
いなかった
憧れの職業にも就けず
同僚から殴る蹴るの暴行は当たり前で
寧ろ日に日にエスカレートしてって
暴行
強姦
毎日の様に続いた
でも、逃げる事も出来なくて
顔を避けた体には傷痕が幾つも残った
あぁ、もうここで死ぬんだな
なんて
今日もいたぶられながら朦朧とする頭の中で思う
「お前ら!何やってるんだ!?」
聞こえた声
体を横たえたまま声のした方に顔を向けた
「やばっ!」
「逃げろっ!」
俺を取り囲んでいた男たちは逃げ出していった
「おい、大丈夫か!?」
「………」
声なんて出ない
そんな気力も、もう無い
俺は重たくなってきた瞼をそっと閉じた
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