45人が本棚に入れています
本棚に追加
目を覚ませば見た事の無い部屋
痛む体を無理に起こせば、見知らぬ男が座ったままこくりこくりと首を傾けていた
「………たすけてくれて…ありがとう…」
掠れた声で
聞こえていないと思ったけど
初めて人に感謝の意を述べた
体を見れば新しい服と、服の隙間から見えた包帯
手当してくれたんだと、容易に想像が出来た
もう、この男には頼れないと
俺は男を起こさぬ様、部屋を後にした
俺を初めて助けてくれた奴
有難うと心から思った
でも、俺には平和なんてない
来ないんだ、一生
最初のコメントを投稿しよう!