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「…左之さん、…行きましょうか?」
未だに固まっている左之さんに声をかける。
「あ、あぁ。行こっか!じゃあ隊士共!準備はいぃか!?」
「いいですよ!原田先生!」
「じゃあ行くぞ!」
左之さんの声がかかって、歩き出す。“誠”と書かれた隊旗を掲げた人を先頭に、左之さん、私、隊士さんの順番に歩く。
「今の内に、廻りたい店探しとけよ?」
「わかりました!」
そう答えると左之さんは前を向いた。
「…今日は叶さんも来てくれたんですね!」
1人の隊士さんが私に声をかけてくれた。
「すみません。お邪魔でしたか…?」
「全ッッ然そんなことないです!逆に嬉しいというか…。また来てくれたらいいというか…」
そう言いながら頭を掻く隊士さん。それを見て思わず笑ってしまう。
「…ど、どうかしましたか!?」
「…やっぱり、組長さんに似るんでしょうか?左之さんもさっきそうやって頭を掻いていました」
「ほ、本当ですか!?」
「ええ」
「俺、原田先生と似てるって言われて嬉しいッス!」
「どうしてですか?」
「俺、原田先生みたいになりたいんです!男気溢れてて、面白くて…」
「左之さんが大好きなんですね」
そう言うと、また頭を掻きながら
「とっても好きです!」
と答えた。
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