第0章「中村」

6/7
前へ
/878ページ
次へ
忘れないようにもう一度言っておくが、俺が目指しているのは 「競馬王」 だ。 『はぁ!? だいたいその「競馬王」てなんやねん?』 うむ、誰だが知らんがタイミングのいいツッコミありがとう。 そうだな、じゃあ解説しよう。コホン。 「競馬王」とは、生き字引と呼ばれるほど競馬に精通しており、生活費はもちろん馬券で稼ぎ、年がら年中競馬場に入り浸っているようなまさに競馬界の王、キングオブホースレーシング!! ……まあ、悪く言えば重度の競馬中毒者のことだと思ってくれ。 まあいいや、そんなワケで現在の俺は、深夜のコンビニバイトで競馬の軍資金を捻出している、競馬王を目指す馬券師の卵なのだ。 ちなみに深夜のコンビニをバイト先に選んだ理由は、単に昼間の仕事だと馬券購入するのに都合が悪いから。 他には、コンビニでバイトしていればスポーツ新聞をわざわざ買いに行かなくて済むっていう利点もある。
/878ページ

最初のコメントを投稿しよう!

136人が本棚に入れています
本棚に追加