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「やった、成功だ…!!生命反応がやっと出た!!」
それは、ボンヤリとした意識の中で確かに聞こえた。
誰だ…?
瞼を上げる。
其処には、俺を見上げて笑い合っている男女達が居た。
その中で、目に付いた人物が居た。
そいつは男で、綺麗な蜂蜜色をした髪。
澄んだ様な灰色の瞳。
そして、まるで宝物を見付けたかの様な愛しそうな笑顔。
印象深い人だ。
そう思って、重くなって来た瞼を閉じた。
再び、瞼を上げる。
すると、実に人工的な光に眩しさを覚え思わず手を翳す。
それは、至極普通の人間が起こす反射的行動だったが、俺には何故そんな行動を取ったのか理解できなかった。
「お早う。
オレが見える?
声は聞こえる?
言ってる意味は解る?」
声を掛けられ、そちらに目を向けると、其処には先程の印象深い人が、俺の顔を覗き込んでいた。
俺は、少し考えてから小さく頷いた。
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