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「何度も失敗を繰り返し、やっと出来たのが君。
なのに君は失敗作なんだって。
『我等の欲しいのは生物兵器だ。
この様な、子供など必要無い』
だってさ。
あの馬鹿な上は、僕の努力なんて、何一つ分かっちゃいないんだから」
主は笑います。
何時もと違う笑い。
くすくす、くすくす嘲笑います。
どうしてでしょう?
「今日、言われたんだ。
『何時までゴミを傍に置いておくつもりだ?
早く処分しろ』
って。
君は失敗作なんかじゃないのに…」
僕を…処分?
主は何を言ってるのでしょう?
「主、どうしてですか?」
僕が話しかけると、主は笑いました。
何時もと同じ微笑み。
「今まで楽しかったよ。
長い間、どうもありがとう」
「主…?」
どうして、そんな事を言うのですか?
まるで、最後のお別れの様な…
「君は生き延びて、自由を手に入れるんだよ。
いいね?」
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