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『…分からないよ、俺…。』
良守は俯いて泣きそうになりながらいう。
〈大丈夫さ、――。いずれ分かる時が来る。〉
『……あ』
そこでふと良守はあることを思い出す。
~~
〈――君。時音の―‥〉
~~
(時音って人のことを教えられた場所…この辺だ…)
〈――?〉
『あ、何?』
良守は正守に呼び掛けられはっと正守を見る。
〈ここが、墨村家。俺と――の家だ。〉
『墨村……!』
名前を呟いた瞬間良守の頭に激痛が走る。
(頭が…痛い!今までよりもずっと…!!)
良守はしゃがみ込んで頭に手を当てていた。
〈いつか、帰っておいで。ここが君の家なのだから。〉
そう声がして正守を見た。
だが、良守から隣にいた筈の正守も、彼の後ろにある家の門や壁も引き離されていた。
『痛…待って…まだ…!』
(聞きたいことが沢山あるんだ……!!)
そう思いながらも良守のユメはそこで途切れ…
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