529人が本棚に入れています
本棚に追加
/673ページ
「ま、正守お兄さん…!?」
良守は驚いて正守を見上げる。
「自分の名前を思い出せただけでも十分だ。…俺達のことはゆっくり思い出していけばいい。」
そう言って優しい笑みを浮かべる正守に、良守は思った。
(やっぱり…あの記憶(ユメ)の後、仲直りしたんだ。じゃなきゃ…)
と。
「そうだよ、良兄!僕待ってるから!」
「有難う…利守…君…」
「それで…お願いしたいことあるって言っていたけど…」
正守はちらりと真盛を見る。
「あ、はい。…優時君を、一度墨村さん宅に泊まらせてほしいと思ってですね。」
それを聞いた利守は顔を輝かせて正守を見る。
「正兄!」
「あぁ。こちらからもお願いしようと思ってたことなんだ。…だから、家に来ていいよ。」
正守はその後を心の中で続けた。
(是非とも来てほしいんだ。)
と。
最初のコメントを投稿しよう!