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「…だって、優時君。どう?」
真盛は良守を見て確認するような口調で聞いた。
「……が…い…」
良守は俯いたままぼそりと呟く。
「え?」
そう聞き返され良守は我に返った。
「何でもない!それ、絶対賛成!…ちょっと寂しいけど…記憶、取り戻したいから……」
良守は顔を上げ弱々しく笑いながら伝える。
「…決まりで良いですかね、仲田さん。」
正守はそれを聞いて真盛を見る。
「はい。…ですがまず一度宿泊先に向かいますので、後程で良いでしょうか?」
「あぁ、はい。構いませんよ。」
そんな会話を聞きながら良守は再び顔を伏せて思っていた。
(…だけど、やっぱり怖い。それに…記憶が戻って"墨村良守"だっけ?になったら…)
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