1/3
前へ
/39ページ
次へ

俺に備わった力… ただ運動神経が上がっただけではなかった。 スプーン曲げができた。 驚いた。 それをきっかけに、一つの希望がわいた。 「もしや、超能力使えたりして…」 鼻かんでゴミ箱にティッシュを投げた。 コントロールも抜群… 明らかに真横に投げても曲がって入る。 念じれば落ちているゴミすらゴミ箱にいれられた。 しだいに大きいものにチャレンジしていき、一週間くらい練習して、机を浮かせるようになった。 自分が神になったような心地がした。 俺のチャレンジ精神はさらにエスカレートし、駐車場にとまっている車を浮かそうと思いついた。 なかなか重くて浮かない。 車は1ヶ月くらいかかった。 ただ、車持ち上げたとき近所のおばちゃんが「ギャー」って悲鳴あげたので、それ以来もぉやめた。 一通り新しい力で遊び、学校で自慢し、家では楽をし、でもなんでこんな事できるんだ?と思った。 俺はたまに自分が人間じゃなく思えてしまうようになった。 力を使わなくても、俺だけ別の生き物みたいで… 普通だったころがいとしくなった。 自然なありのままの姿を、俺は捨ててしまった。 ふと窓の外をる… 花の上を蝶が舞い、 猫が草の中でお昼寝。 風に揺れる木の葉の隙間から 鳥が青空へ羽ばたく …なぜすぐ気づかなかったのか…… 鳥が空を飛ぶ 俺のすこし憂鬱だった気持ちをチャレンジ精神がしのいだ瞬間だった。 「…空を飛ぼう…」 車を浮かせた俺だ、自分浮かすなんてわけのない事。 すぐさま俺は窓から屋根に降りた。 そして試しに右手から念力をだして左手を浮かせてみた。 左手は自然に上がっていった。 「今度は体に…」 しかし浮かない。 自分にするのは難しい。 右手だけの力じゃ無理だ。 両手でしたけど体に近すぎて体の一部を引っ張ってるみたいで痛かった。 地面をおしても肩や腕に負担がくる。 考えれば俺は手の平からしか念力を出せない。 空を飛ぶには体全体から放出しなければならないとわかった。 俺の空飛ぶ特訓が始まった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加