quinto

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イライラする。 風紀に書類を提出しなければならないというのに卯月達の前に転入生とその御一行が立ち塞がる。 ああ、本当にイライラする。 「うーちゃん、こいつら本当に何なの?馬鹿なの?死ぬの?」 にこにこと笑いながら言う和紀。だがその目は笑っていない。むしろ底冷えするような冷たさを孕んでいる。 「来栖っ!友達にそんなこと言っちゃ駄目なんだぞっ!」 「だから友達じゃないって言ってるのに。君は鳥頭なの?あ、鳥に失礼だったね。ごめんね、鳥さん」 氷点下の和紀の笑みを前にしても葉山の態度は変わらない。ゴーイングマイウェイを貫き通す。 ある意味すごい。 「うーちゃん、何なのコレ。会話が成り立たないよ。人間じゃないよコレ。人間の言葉理解してくれないよ」 しばらくの間葉山と噛み合わない会話を繰り広げていた和紀は弱音を吐くように卯月に抱き着いた。 卯月は苦笑し和紀を抱き留める。 「人間じゃない奴にこれ以上言っても無駄だろ。さっさと風紀に書類提出して飯にしよう。今日はシズも一緒にたべる日だろう?」 そう雫に声をかけると雫はパァッと顔を明るくした。 「う、ん…っ!しぃのごはん、美味しい。大好き…っ」 そんな雫の言葉に卯月は相好を崩した。誰だって褒められれば嬉しいものである。 「よし、じゃあ今日はシズの好きなものつくるか」 「えー、春田だけ狡いな」 「カズにはいつもつくってるだろ」 「俺も篠ノ井の飯食いたいっ!」 朗らかに談笑していた卯月たちに割り込む無粋な声。 言わずもがな葉山である。 .
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