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卯月はベッドの上に幼なじみであり恋人の和紀と横になりながら事後の余韻を楽しんでいた。
ピロートークを楽しんでいると不意に卯月は今日生徒会の顧問に言われたことを思い出した。
「カズ、転入生のこと聞いてるか?」
「転入生ね・・・。噂は聞いてるけど。」
そう言うと和紀はしばし考え込むような素振りを見せ、再び口を開いた。
「なんだったっけ。確か2メートルを越える大男とか1メートルもないちびっ子だとか。」
「いやいや、お前それ噂とかいうレベルじゃねえだろそれ。」
無表情で淡々と言う和紀に卯月は苦笑いを浮かべる。
「それで?その転入生がどうしたの?」
「そうそう。明日から転入するらしいんだがそいつが昔俺達が暴れ回っていたところのNo.2のチームの総長なんだとよ。」
卯月がニヤリと笑いながら告げると和紀も僅かに口角を吊り上げる。
「へぇ・・・、それはそれは。ちなみにそれは誰からの情報?」
「〈道化師〉からの情報。」
道化師とは世界でも有数の情報屋の名前だ。
卯月と和紀はひょんなことから道化師とは知り合い、今では気の合う友人となった。
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