primo

3/3
前へ
/22ページ
次へ
「俺らとやりあったことは?」 「ないな。可愛い可愛いオヒメサマは所詮お飾りってことだ。」 そう言って卯月は何枚かの紙を取り出す。 和紀がそれを手に取るとその紙にはオヒメサマ、葉山夕夏の情報が書いてあった。 写真を見るとそこには女の子と見間違えそうなほどの美少年が写っていた。 自分たちの通う学園の生徒なら喜びそうだが卯月と和紀は若干顔を歪めた。 「うっわ、女々しい顔。キモい。」 「だろ?俺も吐きそうになった。」 散々な言いようである。 だが毒舌はこの2人の標準装備なのだから気にしても無駄である。 「明日から来るんだよね。」 「ああ。どうする?」 ニヤニヤ笑いながら卯月が和紀に言うと和紀も黒い笑み(生徒たちいわく魔王スマイル)を卯月に向けた。 「どうもしないよ。ただ、俺のうーちゃんに迷惑をかけることがなければ、ね・・・?」 「ハハッ、だな。俺もカズに迷惑かかんなきゃどうでもいいな。」 「もし俺に迷惑かかったら?」 「聞かなくてもわかるだろ?」 どんな手を使ってでも学園から、カズの前から排除する。勿論苦しめながら・・・。 そう言う卯月の笑みはとても妖艶だった。 「うーちゃん。」 「あ?なんだ?」 「勃った。」 「はぁ!?」 突拍子もない和紀の発言に卯月は目を見開く。 「さっきヤっただろ!?」 顔を真っ赤にして怒鳴る卯月に普段の面影は影も形もない。 「いいじゃん。うーちゃんがエロい顔するのが悪い。いいだろ?」 「エロい顔ってなんだ・・・。はぁ・・・。」 卯月は深い溜息を吐いた。 結局のところ、最愛の恋人には逆らえないわけで・・・。 「ほどほどにしろよ・・・。」 こうして恋人たちの夜は更けていった・・・。 _
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2265人が本棚に入れています
本棚に追加