希望への道

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「……なるほど、二人とも異界の中か。ゼノンめ……俺の前に現れずに去ったか。」 「あいつと何か関係でもあるの?」 「……少しな。」 そう言うとサナトスはファルナに耳打ちをし、その話を聞いたファルナは小さく頷いて口を開いた。 「開発には時間が掛かる。とりあえず時間が必要だ。」 「構わない、頼んだぞ。」 二人はルナに聞こえないような声で話すと、二人揃って屋上を出ていった。 その時、ルシアがゆっくりと近づき、ルナに軽くお辞儀をした。 「お疲れ様。」 「あ、こちらこそ……本当に色々とありがとうございました。」 「……やっぱりカイルはいないんだね。」 ルシアが小さく呟くと、ルナは黙って頷いた。 だがルシアは怒ったり悲しんだりする様子もなく、星空を見上げて静かに口を開いた。 「わかっていたんだ。カイルは戻ってこないって。」 「え?」 「ここを離れる時のカイル……戻ってこない感じだった。だから覚悟はしてたんだよ。」 ルシアはそう言うと騒いでいるグリムやエリスを見た。 「だけど……皆がいるからまだ大丈夫。頑張れるよ。」 「ルシアさん……」 その言葉にルナが少し感動していると、酔ったグリムが襲撃してきた。
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