第一章 ―孤狼―

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「おつかれさん、ジーク」 青年、ジークの隣に青い光と共に女現れた。黒の胸元の開けた上着を着ており、下には深い青のシャツ。首にかけたネックレスは青い光を放っている。茶髪のロングヘアーは動きやすいように後ろで一つにまとめられている。 「……リリー、そっちはどうだった?」 ジークは来るのがわかっていたのか驚く様子もなく答えた。 するとリリーは黒い水晶を胸元から取りだした。黒光りするそれは不気味さだけではなく、禍々しささえも感じさせる。 「あぁ、ちゃんとやってきたわよ。今あっちでノールが時間稼ぎしてるから」 「そうか……、いくぞ」 ジークが指をならすと指輪が一瞬光り、二人の姿は消えていた。
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